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トラウマ

トラウマについて

トラウマとは「心の傷」のことをさします。ここでは、トラウマとはどのようなものなのかということと、トラウマによって人々の心身にどのような影響が及ぶのかということについて取り上げます。

 人は誰でも日常的にさまざまなストレスを経験しますが、その中でも、本人にとって身体的または感情的に有害で、長期的な影響を与えるものが“トラウマ体験”とよばれるものです。

狭義での“トラウマ体験”とは、PTSDの診断基準に則していうと「実際に、危うく死ぬ、重傷を負う、性的暴力を受ける出来事」を体験することです。これらを直接体験することだけでなく、他人に起こった出来事を直に目撃することや、近親者もしくは親しい友人に起こったトラウマ体験的な出来事を耳にする、という体験も含まれます。
広義では、「心のケガ体験」「身体的または感情的に有害であるか、または生命を脅かすものとして体験され、その影響が長期的に及んでいること」になります。

 通常の記憶は、保管庫に収まりやすい形に整理して収めておくことができます。いわば、タンスのようなものに記憶というアイテムがきちんと整理されている状態で、必要な時にはそれを引き出し、体験したときの感覚や感情などをいつでも思い出すことができます。

 それに対しトラウマは“熱すぎて”通常の記憶の保管庫に収めることができません。そして、その熱すぎるものに触れるのを避けたいがために、それは意識の外に追いやられます。いってみれば、タンスにしまい込む作業などとてもできない(したくない)という状態です。しかし、意識の外に追いやっただけで、その記憶がなくなったわけではありませんので、いつその記憶が飛び出してくるかわからず、わたしたちをずっと脅かし続けます。

 記憶がきちんと引き出しに整理されず意識の外に追いやられてしまうと、心身に様々な影響が生じます。精神医学におけるPTSDの症状として代表的なものは次の4つになります。

1.再体験
・フラッシュバック(その体験の記憶が意思とは無関係に突然思い出される)、悪夢など

2.回避

・トラウマのことを思い出したり考えたりすることを避ける

・忘れるために酒を飲む、などの嗜癖行動、思い出す場所や物事を避ける(例:ある駅を使うのを避ける、車の運転を避ける)など

3.過覚醒

・再体験を避けるための用心が過剰になった状態

・不眠、過度な警戒心、過敏、集中困難など

4.認知と気分の陰性変化

・持続的で過剰に否定的な信念、絶望感

・こうなったのは自分のせいだと思う、不信感、何も楽しめない、など

このようなことを実感する場合は、トラウマによる影響が関係している可能性があります。
これらの症状をより具体的に説明すると、例えば「急に不快な感覚に襲われる」「些細なことでイライラする」「目覚めが悪く朝から疲れている」「行けない場所があるため生活に支障をきたしている」「アルコール依存や薬物依存、摂食障害、恋愛依存(性依存)など、望ましくない行動を繰り返しているのにやめられない」「避けたい物事がある」「周囲の人に比べて過剰に驚く」「人に心を許せない」「何かにじっくりと腰を据えて取り組めない」「未来に対する展望がもてない」などが挙げられます。

実際にトラウマになり得る出来事の例は以下の通りです:

(子供時代のトラウマ体験となるもの)

・身体的虐待(暴力など)

・心理的虐待(脅しや侮辱などの言葉を浴びる、無視や嫌がらせなど)

・性的虐待(強制性交、性器や性交を見せられる、卑猥な言葉を浴びせられる、など)

・情緒的ネグレクト(親や養育者が子どもに対して関心を示さないこと)

・ひとり親や両親の不在

・家族の薬物乱用やアルコール依存

・家族の精神疾患

など

(子供時代に限らずトラウマ体験となるもの)

・災害、事件、事故などの体験

・DV

・性被害

・犯罪被害

・大事な人物を喪失する体験

・いじめやハラスメントを受ける

・貧困

など

 先ほど挙げたような症状が出現して問題が生じている場合、これらのようなトラウマが関係しているのではないか?という視点を持って専門家が来談者と接することをトラウマ・インフォームドケアといいます。トラウマを理解したセラピストに自身の悩みや問題を話すことで、長年続いていた症状から回復できる可能性があります。また、トラウマ体験そのものが本人の記憶から抜けていることも多く、そのために何をやっても上手くいかないという状況が続いていることもしばしばあります。そのため、トラウマの視点をもつ専門家に話をすることが極めて重要になってきます。

 インサイト・カウンセリングにおけるトラウマカウンセリングは、トラウマ治療やトラウマケアと呼ばれるものとほぼ同義のアプローチであり、トラウマ・インフォームドケアに理解のある専門家によって行われる心理支援です。本人が自覚しているトラウマのみならず、本人が自覚していないトラウマも含めて詳細に検討し、問題解決のための援助を行います。心の痛みに寄り添うことを前提とし、トラウマが脳機能や身体に与える影響についても考慮しながら心理的支援ができるよう努めています。

トラウマの影響によって生じている症状については、FAP療法をはじめ、さまざまな心理療法を行うことが可能です。カウンセリングの進め方については、来談される方の症状や特性などに合わせて個別に検討されます。また、心理療法を用いる場合は、来談される方の同意をいただいた上で安全に行うよう配慮させていただきます。自分にトラウマがあるのかどうかわからない、という方の来談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。

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